冬眠する訳でもないのに、最近、準備をしているのか!と、おなかに聞いてしまう、田中榮一郎です。皆さんは大丈夫ですか? …失礼しました!
さて、昔、会社のゴルフコンペのルール説明で、競技委員から、「ローカルルールにより、6インチリプレースOKです。」と言ったところ、「6インチって、なんぼだ?」と大工さんから質問が出ました。競技委員はすかさず「そーだな~、大体5寸(すん)だよ!」と答えたところ、「わかった!」と納得してもらったことがありました。この時、「単位って難しいな~」と思いました。学生の頃は、当然のことながら、メートル法で何の不自由もありませんでしたが、建築業界に入るなり、尺(しゃく)だの、間(けん)だの、坪(つぼ)等が単位になり、話が通じなくて困ったものです。たぶん皆さんも、家を計画する際に、メーターモジュールであれば、問題ありませんが、尺モジュールですと距離感が分かりずらくて困っていると思います。今日はそんなあなたに少しでもわかりやすく、建築で使う単位について解説しましょう!
長さの単位です。3.03cmが1寸です。家を建てる際に使用する材料である柱も寸で表現します。柱の断面の大きさは、3.5寸角と言えば、約10.5cm四方の角材のことを言います。4寸角は約12.0cm四方の角材になります。ちなみに、一寸法師の身長は約3.03cmということになりますね。
長さの単位です。10÷33m=30.3cmです。1尺の1/10が前項の寸(すん)です。畳がない家も増えましたが、畳で考えてみましょう。畳の寸法は長手方向が6尺、短手方向が3尺ですので、長手方向が30.3cm×6=181.8cm、短手方向が30.3cm×3=90.9cmとなります。イメージできましたか?
これも長さの単位です。1間=6尺です。寸から尺は10進法なのに対し、尺から間が6進法なので、注意が必要です。先ほどお話に出てきた畳ですが、長手方向は6尺なので1間になります。短手方向は3尺なので、0.5間または、半間となります。畳と言えば、昔、太陽の陽の高さが半年で畳1枚分変わると聞いたことがあります。1年で太陽が181.8cmを往復するとすれば、181.8cm×2=363.6cmとなり約1年(365日)ととても近い数字になります。
面積の単位です。1坪=1間×1間=1.818m×1.818m=3.305124㎡となります。畳で表現すると、畳の長手方向が6尺=1間ですから、1間×1間は畳2枚分の広さになります。つまり2畳が1坪になりますね。そうすると、6畳間は2畳が3個分ですから、3坪になります。メートル法にすると3.305124㎡×3=9.9153㎡≒10㎡となり、6畳間は3坪で約10㎡と分かります。別の見方をすると、6畳間は長手方向が畳2枚分で2間、短手方向が1枚半なので1.5間の広さですから、2間×1.5間=3坪となります。坪という単位を感覚的にご理解いただけたでしょうか?ちなみに、3.305124の逆数は1÷3.305124≒0.3025となりますが、不動産業者さんは、㎡を坪に変換するときはこの0.3025を掛けて出すことを良くします。つまり、10㎡を坪に変換するときは、10㎡×0.3025=3.025坪となり、約3坪になります。ところで、この坪という単位ですが、人が1日に食べるお米の量(約3合)が収穫できる広さになるそうです。いろいろなところにつながりますね。
これであなたも、尺貫法(しゃっかんほう)のうちの建築で使う、寸、尺、間、坪については、感覚的にも分かっていただけたのではないかと期待しています。次回、なにかの機会に長さを聞かれた時にcmではなく寸で答えてもらえれば、相手はあなたを建築のプロと勝手に思い、びっくりした顔をするでしょう!