最近「全英オープン」を見ていて、寝不足気味の田中榮一郎です。
さて、前回は、F☆☆☆☆(Fフォースター)と言っても、すべての建材が安全ではない、というお話をしました。
それでは、自然素材を使えば良いのでしょう?とお考えの方もいらっしゃると思いますが、今回は自然素材のデメリットについてお話しします。
目次
自然素材にしたらすべてが解決するのかというとそうではありません。
基本的に人に良いということは、虫や菌にも良いということです。
そうは言っても、食べ物に虫や菌がいたら困りものです。
例えば、レストランで割りばしを袋から出した時にカビが生えていたら、クレームをつけますよね。
そうならないように中国産の割りばしには防カビ剤や漂白剤がバッチリ掛けられているそうです。
この割りばしを金魚鉢に入れたら、金魚が苦しそうに浮いてきたというこわい話もあります。
このように、これまでの考え方は虫や菌は悪、よって薬で殺してしまえ。人にも害はあるが量でコントロールしよう!というものでした。
虫や菌はヤダけど、防カビ剤や漂白剤もイヤですよね。
人にはイイけど、虫や菌が嫌がる材料は何かないのか?というと、実はあります!
桧(ひのき)やヒバがそうです。桧やヒバには、フィトンチッドやヒノキチオールという天然の芳香成分があります。
この成分は人の気持ちを落ち着かせたりしますが、抗菌・防虫作用もあり、木を腐らせる腐朽菌を寄せ付けず、シロアリが嫌がる香りも出します。
この辺が、薬材や化学工業製品にはない、自然素材の素晴らしさだと思います。
こういう有難い材料を、適材適所に活用していくと自然素材でイイ家ができるのです。
塗壁材には「漆喰」や「珪藻土」等がありますが、壁材が割れないように樹脂を混入した塗壁材が市場に出回っています。
樹脂で固めると割れないので施工者側からすると楽で良いですが、住まう方からするととんでもないことになってしまいます。
割れない材料には気を付けましょう!
木材も乾燥すると材自体にクラックが入ることがあります。木材の強度は乾燥するにつれて上がりますので、クラックが入ること自体何ら問題は無いのですが、
クラックが入ったというだけで、木材の性能が劣化したと思われるのか、クレームだといわれるお客様がいらっしゃいます。
こうなってくると、始めにお話しした、危険な割りばしを作るように、人の体には悪いけど、作り手はクレームの来ない材料を使おうということになってしまいます。
住まう方に認識して頂きたいことがあります。
それは、自然素材は私たちの体に良い影響を与えてくれますが、その代わり、クラックや割れが入ってしまうというデメリットがあります。
樹脂や接着剤で割れないように固めて、体に悪い材料を使うか、割れは多少あるけれども体に優しく、健康になれる材料を使うのか、
私は自信を持って後者をお勧めします。