先日の天災はすごかったですね。被災された皆様には改めましてお見舞い申し上げますと共に、被災地域の速やかななる復興をお祈り申し上げます。
さて、会社の決算を今月末に控え、ドタバタな毎日を過ごしておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?田中榮一郎です。
今回は、木材の中でもよ~く知られた「杉」についてお話しします。
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杉の「す」の字は住まいの「す」、鳥の巣の「す」から来ているらしいです。神社にも杉の大木が植えられていますが、神様のいらっしゃる、高天原から神様が杉の木を伝って降りてくるためだそうです。他にも、杉の名の由来は、真直ぐの木「直木(スグキ)」から来ているも言われています。
杉は、割裂性がよく、薪割りのように割ることによって、角材から板材までを作ることができます。従って、古来より重要な木材として重宝されてきました。スギには多くの地域品種があり、材質も品種や系統により異なります。天竜杉、屋久杉、吉野杉、北山杉、秋田杉、山武杉、飫肥(おび)杉などが有名です。建築材料として使用する際の強度の指標となるヤング係数(ひずみに対する応力の割合)の変異幅もカラマツ、ヒノキ等に比較して非常に大きいです。
またヤング係数は品種だけではなく樹齢によっても変化します。
ニットー住宅も飫肥(おび)杉という材料を柱に使います。飫肥杉は宮崎県で育ちます。油分が多く腐りにくい飫肥杉は江戸時代には主として船を造る弁甲材として、また建築材として使われ、全国から注文を受けていました。戦後は、すぐに育つということで、杉が多く植林されましたが、時代と共に外国産の材料が安くなり、国内の木材が売れなくなりました。根がしっかりとつく前に、すぐ育つ杉は、風倒木になってしまうものも多くありました。そのような手入れの少ない山の杉は、種の保存のため、花粉をたくさん蒔きました。
これが、私たちが花粉症になってしまった原因のひとつです。戦後植林された森林は現在、伐採の時期を迎えています。次の植林を何の樹種にするのか、それによって、また花粉症になってしまう方が増えるのかどうかが決まります。
杉は住宅では、主に柱に使われます。とても、柔らかい木なので、曲げモーメントの働く梁や柱の荷重がかかる土台には不向きです。土台には家の荷重が柱を通じて土台に来ますから、固い木でないと、土台自体にめり込みが発生してしまい、結果として床の高さが低くなってしまいます。土台には、桧(ひのき)かヒバか栗の木が良いと、昔の大工さんは言ってます。
杉についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか?
「へぇ~」と思っていただければ幸いです。
ただ、本を見ただけでは泳げるようにはならないのと同じように、今回のお話だけでは、杉のこともわからないと思います。なので、弊社の天然木スタジオに来て、実際の杉を来て、見て、香りを嗅いで頂きたいと思います。